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ニュースリリース

2015年9月16日
経営関連

9月定例社長会見

詳細

 先週の台風18号などの影響による豪雨で、河川が氾濫するなど関東や東北で大きな被害が発生いたしております。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げたいと思います。
 
 7月の定例会見から2カ月あまりが経過いたしました。7月に台風11号、8月には台風15号もあり、この間、輸送の混乱などでご迷惑をおかけしております。また、8月の山陽新幹線での車両部品脱落事故では、お客様お一人におけがをさせるということも発生しております。あらためてお詫び申し上げたいと思います。
 台風の対応につきましては、安全最優先の対応を基本としながら、お客様へのご案内に最善を尽くしたいと考えております。また、山陽新幹線の事象につきましては、私どもとしての原因究明、そして再発防止に取り組み、安全・安定輸送の確保とお客様の信頼回復に全社を挙げて努力してまいります。

1 最近の営業・輸送概況
 
8月の運輸取扱収入は、対前年110.2%と前年を大きく上回りました。8月は、前年台風の影響があった反動増や、消費税率改定前の駆け込み需要による先買い影響の反動増がありますが、それらを除いた実勢値としては、108.2%となります。7月分は106.4%、実勢値は106.1%でしたので、8月は大変好調でした。これは、北陸新幹線・山陽新幹線が好調であることに加え、9月のシルバーウィークを中心とした前売り販売増によるものと考えております。また、定期は対前年101.4%と前年を上回っておりますが、消費税の影響を除きますと100.2%でした。
 9月は、シルバーウィークを中心とした前売り販売増などにより、対前年106.5%と7月並みで推移しております。

○運輸取扱収入の状況(前年同日比)
対象期間 収入計 近距離券 中長距離券 定期券
8月 110.2% 106.8% 113.1% 101.4%
9月
(9月13日まで)
106.5% 101.2% 110.0% 99.0%
27年度累計 111.4% 104.3% 111.3% 119.9%

 ※注釈 実績は直営の速報値です。駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。

○ご利用状況(前年同日比)
対象期間 山陽新幹線 在来線特急 アーバンネットワーク
8月 104% 107% 107%
9月
(9月13日まで)
102% 101% 103%
北陸新幹線 ご利用者数(万人) 前年比
8月 91.9 264%
9月
(9月13日まで)
32.1 295%

 ※注釈 実績は速報値です。
 ※注釈 北陸新幹線は「上越妙高〜糸魚川駅間」のご利用実績です。
 ※注釈 北陸新幹線の前年比は在来線特急「はくたか・北越」(直江津〜糸魚川駅間)のご利用実績との比較です。

【北陸新幹線のご利用状況】
 9月13日で北陸新幹線の金沢開業から半年が経過しました。約482万人という大変多くのお客様にご利用いただきました。1日平均で見ますと、約26,000人(上越妙高〜糸魚川駅間を通過されたお客様の数)にご利用いただきました。昨年の特急「はくたか・北越」との比較では約3倍です。同期間における平日のご利用は1日あたり約24,000人、土曜日・休日のご利用は約31,000人で、特に土曜日・休日に多くのご利用をいただきました。
 また、同期間における特急「サンダーバード」のご利用は前年比104%であり、北陸新幹線開業後にご利用低下が懸念された関西・北陸間につきましても、現在のところ引き続き前年を上回るご利用があり、特に北陸方面への観光でのお出かけが増えております。
 旅行会社におけるJR利用旅行商品の4月から7月までの販売実績は、北陸発首都圏方面の実績が前年比252%と大きく拡大しています。一方で、関西発北陸方面も前年比115%と好調に推移しています。さらに、時間短縮効果もあり、関西発信越方面についても前年比257%と大きく伸びています。8月についても、これまでと同様に好調は継続していると聞いています。佐渡・立山黒部アルペンルート商品はもちろんのこと、冬に向けては信越へのスキーや新潟・長野の温泉など、関西から新潟・長野方面へのお客様の動きを強化していく準備を進めてまいります。

【今後の展望】
 今後は10月1日から12月31日の3カ月間、JR6社が連携して「北陸デスティネーションキャンペーン」を開催し、北陸の味覚や温泉などの豊かな観光資源にさらに磨きをかけていきます。さらに1月からは、2004年から始めているJR東日本、JR東海と連携した「Japanese Beauty Hokuriku」キャンペーンを今年度も開催し、北陸へのご旅行の盛り上げを図ってまいります。
 とりわけ、先日、車両やサービスについて発表させていただいた「花嫁のれん」「べるもんた」の二つの観光列車については、地元食材を活かした「食」のサービスやアテンダントによる「おもてなし」など、北陸観光の一つの目玉としてご利用いただけるよう、地元の皆様と一緒にサービスの質を上げ、今後の北陸への観光の拡大につながるような取り組みをしていきたいと考えております。
 北陸新幹線は、開業以来、想定していた2.2倍を超えるご利用をいただいておりますが、開業2年目以降についても、これが継続するように施策を進めてまいります。
 観光面では、北陸3県に加えて、新潟・長野方面への送客強化も含めた「広域的な観光ルート」を開発し、定着させていけるよう引き続きご利用促進に取り組みます。また、インバウンドのご利用が増えてきておりますので、地元の皆様とも連携しつつ対応を進めてまいります。
 ビジネス面では、想定より多くご利用いただいておりますが、まだまだ平日を中心としたご利用には拡大の余地があると考えており、北陸と関西・首都圏間のご利用拡大に向けて、カード会員へのポイント進呈などの施策、「e早特」や「WEB早特」といった利便性の高いネット予約商品のご利用をさらに拡大する取り組みを進めてまいります。また、北陸エリア内の取り組みとして、今後、新幹線通勤のご利用促進といったことにも取り組んでまいりたいと思っております。引き続き、北陸新幹線のご利用が定着するよう、地元の皆様と一緒に取り組んでまいります。

2 SLスチーム号の新客車完成
 8月30日、「梅小路蒸気機関車館」の閉館イベントをさせていただきました。最終日には約11,000人ものお客様にお越しいただきました。私も現地を訪れ、地元の自治体様をお招きしての閉館セレモニーなどに参加いたしましたが、多くのお客様が梅小路蒸気機関車館という名前での最後になるということで名残を惜しんでいただいたことを拝見し、これまで地元の皆様、多くのファンの皆様に支えられてやってこられたと感じた次第です。長年のご愛顧にあらためて感謝申し上げます。
 これから、来年春の「京都鉄道博物館」開業に向けてさまざまな準備を進めてまいりますが、本日は、来春の開業以降に京都鉄道博物館で運行するSLスチーム号の新しい客車を紹介いたします。

 SLスチーム号は、京都市における平安遷都1200年記念事業の一つとして1994年9月から約2カ月間開催された「第11回全国都市緑化フェア」において、一つのイベントとして運行を開始いたしました。1日平均で7往復の運転を行い、SLのダイナミックさなどを肌で感じていただくことができ、これまでに約274万人のお客様にご利用いただきました。

 開業当時のSLスチーム号

 新たに製作いたしました車両は、「レトロ」というコンセプトで、けん引する蒸気機関車と同年代に製造され活躍していた客車のイメージを基にデザインを検討しました。こだわりは、「京都の歴史・優美さと『人が集まって楽しむ』雰囲気の演出」です。
 デザインにつきましては、地元の京都造形芸術大学様にデザイン考案のご協力をいただき、基本となるデザインベースを決定させていただきました。

 新しい客車の特徴は、明るく広々とした開放的な車内空間を提供し、動くSLをより体感していただけるようにしていることです。
 外装につきましては、特急さくらやつばめなど、往年の特急車両のヘッドマーク図柄をモチーフとしたデザインを施しております。また、車体の色は「聚楽(じゅらく)ぶどう色」としました。多くの人が集い楽しむ「聚楽」と、多くの実をつけ豊穣を想起させる「ぶどう」に、「京都の歴史・優美さと『人が集まって楽しむ』雰囲気の演出」という私どもの新客車に対する期待を込めて決定いたしました。京都駅寄り客車の簡易運転台側には、往年の特急列車で最後部を彩った展望車をイメージし、梅小路のシンボルである「梅」をあしらったテールマークを掲出しております。
 内装につきましても、蒸気機関車活躍当時の雰囲気を感じていただけるよう工夫を凝らしております。外装と同様に、往年の特急車両のヘッドマーク図柄をモチーフとしたデザインをボックス席ごとに配置し、1両でいろいろ楽しめる、さまざまな車内空間をご提供いたします。

 新たな客車イメージ

新たな客室車(イメージ)

 新しい客車は元の客車と比べて、車両の長さを5.5メートルを長くして18メートルに、着席定員を128名分増員して208名にしております。加えて、車いすも4台ご乗車いただけるようにスペースを増大いたしました。
 また、車内には非常通報装置を設け、異常が発生した際には係員に知らせることができるよう安全性も高め、より皆様に安心してお楽しみいただけるよう工夫しております。

 引き続き、来年春に向け、「京都鉄道博物館」の準備を進めてまいります。

3 TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレス みずかぜ)の車両デザイン
 これまで「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」につきましては、列車コンセプトや車両イメージ、食を監修していただく料理人に加え、6月には瑞風で訪れる美しい日本などをお知らせしてまいりましたが、このたび車両のデザインが決定しましたので、プロデュースいただきました浦一也先生・福田哲夫先生とともにお知らせします。

 今年3月で運行を終了しました「トワイライトエクスプレス」では、日本海の美しい車窓、車内で調理された温かい食事や上質な設えの車内空間で過ごす時間といった、鉄道の旅の醍醐味についてご好評いただきました。
 その伝統を受け継ぐTWILIGHT EXPRESS 瑞風では、「美しい日本をホテルが走る」の列車コンセプトのもと、上質な設えの車内空間にさらに磨きをかけるとともに、瀬戸内海や日本海、大山をはじめとする時々刻々、四季折々に移ろいゆく美しい車窓を、車内でおくつろぎいただきながら、食事を楽しみながら、展望デッキで風を感じながら、ご覧いただける車両としました。

【トワイライトエクスプレス瑞風のデザイン】
<デザインコンセプト:浦一也先生より>
 私は、ホテルや迎賓施設など、人をおもてなしする施設を多く手がけてまいりましたが、瑞風のデザインにあたり、「走るホテル」というより「ホテルが走り出す」というイメージでデザインを進めてきました。
 列車のコンセプトである「美しい日本をホテルが走る」にふさわしいデザインとして、お客様が洗練された上質さと心休まる懐かしさを感じられる「ノスタルジック・モダン」を車両のエクステリアおよびインテリアのデザインコンセプトとしました。
 20世紀前半に一世を風靡した「アール・デコ」調のデザインを各所に多く採用していて、それがこの列車の基調となっています。

<エクステリア:福田哲夫先生より>
 瑞風プロジェクトのメンバーとして、浦先生の総合プロデュースのもと、エクステリアを担当させていただきました福田です。
 外観につきましては、デザインコンセプトであるノスタルジック・モダンに基づき、懐かしさの中にも未来へ続く新しさを感じるデザインを詳細設計にまで反映いたしました。
 車体の色はトワイライトエクスプレスの伝統を受け継ぎつつ、さらに上質さを演出した「瑞風グリーン」としました。また、金色のエンブレムやラインをあしらうことで、上質な仕上げとするとともに食堂車やラウンジカーなどの車両ごとに特徴づけました。
 先頭車のスタイルは、「風」をテーマに、アール・デコと同時代に席巻した流線形のスタイルとし、往年の鉄道を彷彿とさせるボンネット型のシルエットとして、懐かしさとともに皆様に愛される車両スタイルをめざしました。
 懐かしさの残るその流線形のスタイルに、風洞実験により「風の流れ」を磨き最適化することで、21世紀に相応しい快適な車両空間を実現しました。また、風をイメージした5本のキャラクター線をあしらう展望車は、デッキ部の演出照明のほかにも、丸目のヘッドライトや側面のロゴマークのレリーフなど、細部に懐かしさを残しながらも新しさを感じるスマートなつくりとしました。
 さらに、最後部の展望デッキでは「自然の風」が通り抜けてゆくのを体感いただくことができます。

○デザインコンセプト:ノスタルジック・モダン
 デザインコンセプト:ノスタルジック・モダン
<インテリア:浦一也先生より>
 瑞風は山陰や山陽を巡ります。その風光明媚な日本を満喫いただくため、客室に加え、食堂車、ラウンジカーなどのおくつろぎいただくスペースを備えました。また、各部屋に大きな窓と、随所に風を感じていただくための開閉できる小窓を設けました。列車デザインの私のこだわりはそこにあります。
 また、上質な懐かしさを感じられるアール・デコ調をベースとした車内では、沿線の中国地方5県の県産材を使ったドアや沿線の伝統工芸品を誂えるなど、沿線の魅力を感じることができます。岡山県のクワ、鳥取県のカゴノキ、島根県のカシ、広島県のミズメ、山口県のシイノキを使用いたします。
 客室は、1両1室の特別感を感じられるスイートや1両3室のツインに加え、シングルもご用意するなど、さまざまなお客様のニーズに対応できるラインナップとしました。

 ツインでは、大きな窓やドアを開放することにより、客室に居ながら左右両側の眺望をお楽しみいただけます。
 県産材のドアと奥側の可動壁を開放することで、通路側の眺望もご覧いただける構成となっています。また、ベッドは収納式とすることで、昼間は広いリビングスペースを確保し、ゆったりお過ごしいただけます。

 ツインルーム01 ツインルーム02

 次に、食堂車とラウンジカーについてご説明いたします。食堂車とラウンジカーはこの列車の中心です。インテリアデザインが話題に上るようになればと思っています。
 食堂車は、ややフォーマルな特別な空間としています。また、食事を監修いただいている門上武司先生も交えて検討をすすめ、車内での調理の様子や香りといったライブ感が伝わるオープンキッチンとしました。
 お客様同士の語らいやおくつろぎの場であるラウンジカーは、リラックスできる落ち着いたスペースとしています。木を多用したインテリアで、バーカウンターや立礼の茶の卓、ブティックスペースを備え、瑞風ならではのおもてなしもお楽しみいただけます。

 食堂車 ラウンジカー

 最後に、展望車についてご説明します。空まで望むことができる大きな窓からは雄大な車窓だけでなく、星空もお楽しみいただけます。

 展望車(昼) 展望車(夜)

 このほか、瑞風の車内には小さくて可愛らしい工芸品などを展示し、沿線の魅力をお感じいただきたいと思います。

<真鍋社長より>
 浦先生、福田先生、両先生のこれまでのご経験や知見の限りを尽くしてデザインしていただきました。
 トワイライトエクスプレス瑞風は、鉄道ならではの旅をお楽しみいただくことはもちろん、地域の皆様とともに沿線の魅力を引き出し魅力を発信する、従来の当社にはない役割を担った列車であり、本日お知らせしました車両においても、鉄道の旅の醍醐味や沿線の魅力を感じる仕掛けを随所にあしらいました。2017年春のデビューにどうぞご期待ください。

 新たな寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」の紹介映像

 新たな寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」の紹介映像はこちらをご覧ください。

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